表面に特殊加工を施した新しいヤスリを私たちは「HOMARE~誉」と名付けました。
シャープな切れ味は従来のままに、目詰まりせず耐久性に優れ何よりも美しいヤスリ面を持つことが 「HOMARE~誉」の大きな特徴です。
その「HOMARE~誉」から踵ヤスリが誕生しました。これまで以上に使いやすく、滑らかで肌に優しい ヤスリに仕上がっています。
他のどこにもない機能と美しさを備えた新しい踵ヤスリ「HOMARE~誉」をぜひお試しください。
◇ヤスリ表面の特殊加工~誉加工~がポイント
◇カーブが決めて
◇どなたにも握りやすいマルチアングルグリップ
菫-すみれ- (表面)
朱-しゅ- (裏面)
材 質/ ヤスリ:ステンレス鋼(SUS430)
取 手:ポリプロピレン樹脂
サイズ/ 縦223×横41×厚さ7(mm)
重 量/ 70ℊ
8500円(税別)
■新潟伊勢丹 1F
「越品(えっぴん)コーナー」
新潟市中央区八千代1-6-1
TEL:025-242-1111
■柄沢ヤスリ オンラインショップ
■燕市ふるさと納税でもお取り扱いがございます
誉踵ヤスリ誕生にまつわるお話です。
今のコロナ禍を誰もが想像だにできなかったころ。元号が平成から令和に変わり、日本中が平穏に包まれていた5月の連休中のことでした。
プラモデル用品の専門店が主催し、ミニ四駆やガンプラの愛好家の作品展が開かれました。その一角にプモデル用工具を扱う企業が何社か集い、それぞれがテーブル一つずつの小さなブースを設けました。我が社の当日の目玉商品はその名も「プラスチックヤスリ」。ガンプラ愛好家の間で評判のヤスリです。 そしてブースに立ったのは、社外のイベントや展示会に出るときのわが社の強力な助っ人、「繁盛している薬局の店主、堀さん」。 毎年出展していた東京のある展示会では「販売の神」と他社の営業さんから崇められていました。堀さんの商品説明を聞くためにお客様が黒山になっている場面を何度も目撃しました。 そんな「神」と「プラスチックヤスリ」との組み合わせですから、プラモデル愛好家達の目を引かないわけがありません。作品展1日目で看板の「プラスチックヤスリ」はすっかり売り切れてしまい、翌日は新商品の「プラスチックヤスリ~誉~」を並べることにしました。堀さんの口上と誉の性能が相まって 、売れ行きも好調でした。
そんな時堀さん、何を思ったか自分でも誉を買い求めました。プラモデルを作るわけでもない、家に機械類があるわけでもない。薬局に誉の活用の場所はおそらくないはずです。ただただ「誉」の切れ味とヤスリ面の美しさに魅了された様子でした。家に帰って、堀さんはさっそく使い道を考えました。ためつすがめつしながら、ついに閃いたのが「誉で踵を削ってみる!!」ことでした。
翌日すぐに会社に電話がきました。「誉で踵を削ったら 素晴らしい切れ味だ!これを踵ヤスリとして販売すべきだ!!」 性能とともにお洒落なデザインを旨としている我が社の爪・踵シリーズですから、さすがに工具ヤスリをそのまま商品にはできません。実はシャイニーシリーズの踵ヤスリを開発した時、当時90歳のベテラン目立て職人が工業用のヤスリで踵を削って試したことがありました。さて、どうなったでしょうか?・・・・・ヤスリは真っ赤な彼女の血で染まりました。血塗られたヤスリは今でも新商品開発の記念として取ってあります。 このように金属を削るヤスリと皮膚に当てるヤスリとでは根本から違うのです。しかしその「神」の一言で、しかもその場で「誉踵ヤスリ」の開発は決定しました。これまでの新商品開発の際お世話になっていた行政の補助金事業もすでに締め切りが過ぎていましたから、資金の保証もないままただ「神」のお墨付きだけを支えに「誉踵ヤスリ」は誕生に向けて歩み始めました。
それから1年半の歳月が流れました。新しいことへの挑戦は予期せぬこととの遭遇ばかりでした。目を立てる前段階のブランク材(レーザーで形を抜いた材料)の表面に傷が見つかり、500個以上全て破棄せざるを得なかったときは無念でした。すでに「シャイニー踵ヤスリ」と言う兄貴分がいますので、それに負けない目を立てるためまたそれとの違いを出すため、何度目立ての試作を繰り返したことでしょう。運がいいのか悪いのか、14名の社員の誰一人踵で困っている人間がいなかったため、削り心地を試してくれるモニターさん探しにも苦労しました。ある「力持ち」に試してもらったら、ぐにゃりと柄ごと曲がってしまったことも。某デパートの展示に「2か月後に発売予定」と予告して並べた試作品が「売れました!」と連絡を貰ったときは、一番慌てました。まだロゴも印刷していないというのに。
そして、2020年12月10日。いよいよ発売までこぎつけました。作り手には思いもつかなかったたった一つの発想から生まれた「誉踵ヤスリ」。令和の「逸品」と言って頂けるように大事に育てていきたいと思います。